【11月23日 AFP】パキスタン南部カラチ(Karachi)にある中国総領事館が23日、手りゅう弾や自爆ベストで武装した集団による攻撃を受け、警官2人を含む4人が死亡した。当局が発表した。これについて、地元の分離独立派で、中国政府を「迫害者」と非難する武装勢力が犯行声明を出した。

 警察によると、警官2人に加え、バルチスタン(Balochistan)州の州都クエッタ(Quetta)在住で中国の査証(ビザ)を申請しに来た親子2人が銃撃戦に巻き込まれて死亡。

 警察幹部の話では、襲撃犯のうち少なくとも1人が自爆ベストを装着していたが、爆発はしなかったという。

 パキスタン当局は、事件を受けて治安部隊が現場一帯を封鎖したとしている。

 カラチ警察のアミール・シェイク(Ameer Sheikh)署長はAFPに対し、襲撃犯3人が総領事館内に侵入しようとしたが、検問所で警備員らが阻止したと述べた。

 シャー・メへムード・クレシ(Shah Mehmood Qureshi)外相は首都イスラマバードで記者会見し、「すべてのテロリストを排除した」と述べ、襲撃時に総領事館内に居た職員21人全員を安全な場所へ避難させたと説明した。またパキスタン軍傘下のメディアも、「事態は収拾した」と伝えた。

「一帯一路(Belt and Road)」構想を推進する中国は、パキスタンでも数十億ドル規模のプロジェクトを進めているが、在パキスタンの中国人に対する攻撃が続いている。

 中国政府は今回の襲撃を「強く非難」。パキスタン政府に対し、同国在住の中国市民や中国関連施設、中パ経済回廊(CPEC)構築に関わる大規模事業の安全を確保する措置を講じるよう求めた。(c)AFP/Kashif FAROOQI, with Nasir JAFFRY