【11月12日 AFP】18-19フランス・リーグ1は11日、第13節の試合が行われ、パリ・サンジェルマン(Paris Saint-GermainPSG)はハットトリックを記録したエディンソン・カヴァーニ(Edinson Cavani)の活躍もあり、ASモナコ(AS Monaco)から4-0の大勝を収めた。一方、モナコのティエリ・アンリ(Thierry Henry)監督は、就任以降苦境が続いている。

 ビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)にも助けられたカヴァーニのハットトリックと、ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)のPKでモナコを一蹴したPSGは、これでリーグ13連勝を達成し、リーグ1を含む欧州「5大リーグ」の開幕連勝記録をさらに更新しつつ、2位のリール(Lille OSC)に早くも勝ち点13差をつけてリーグ首位を独走している。

 一方、近年の成績を考えればPSGの一番のライバルになるはずのモナコは、深くはまったスランプ状態から抜け出せず、この日もアンリ監督はタッチライン際で絶望したような表情を浮かべるしかなかった。

 2017年にリーグ優勝を飾ったモナコは、アーセナル(Arsenal)とフランス代表で活躍したレジェンドが指揮官に就任してから6戦未勝利。確実に残留できる17位と勝ち点5差の19位に沈んでいる。

 公式戦での未勝利は合計で16試合に伸び、さらに先週は欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League 2018-19)のクラブ・ブルージュ(Club Brugge)戦にも0-4で敗れてグループリーグ敗退。クラブは1部リーグで過ごした32年の中で最悪の時期を過ごしている。

 その上、内部告発サイト「フットボール・リークス(Football Leaks)」は、クラブが欧州サッカー連盟(UEFA)の定めるファイナンシャル・フェアプレー(FFP)に違反していると暴露され、また前週にはドミトリー・リボロフレフ(Dmitry Rybolovlev)会長が汚職に関与した疑いで逮捕されるなど、ピッチ外の出来事もクラブに暗い影を落としている。

「われわれは残留のために戦っている。それがすべてだ」と語ったアンリ監督は、呪われたかのようにけが人が続出し、この日も負傷と出場停止で10人以上が使えない中でメンバーを選んだが、ベルギー代表のナセル・シャドリ(Nacer Chadli)、そのシャドリとの交代で出場したジョルディ・ムブラ(Jordi Mboula)がどちらもけがでピッチを後にした。

 アンリ監督は「われわれは今夜、2人の選手を失った。人数がかなり多くなり始めている」と話しつつ、「私は今も前向きだ。そういうことがあった中でも、われわれはPSG相手にチャンスをつくれていた」と続けた。

 とはいえ、モナコの控えメンバーの平均年齢は19歳以下。先発にもこれがデビュー戦となる17歳のDFブノワ・バディアシル(Benoit Badiashile)が入っており、チャンピオンズリーグのナポリ(SSC Napoli)戦から6人を代えたPSGが相手とはいえ、大敗は仕方のないことだった。(c)AFP/Andy SCOTT