【11月9日 AFP】イングランド・プレミアリーグ、レスター・シティ(Leicester City)のクロード・ピュエル(Claude Puel)監督は8日、ウィチャイ・シーワタナプラパー(Vichai Srivaddhanaprabha)会長がヘリコプターの墜落事故で死亡してから初めて臨むホームゲームへの準備は難しいものになっているとしながらも、足りない部分は選手たちが「チーム精神で補う」だろうという認識を示した。

 3日に行われたカーディフ・シティ(Cardiff City)とのリーグ戦に1-0で勝利した後、ピュエル監督は一部の選手たちと一緒にタイ・バンコクへ飛び、ウィチャイ会長の葬儀に参列した。このため、10日のバーンリーFC(Burnley FC)戦に向けた準備は一時中断されてしまった。

 ウィチャイ会長はレスターが1-1で引き分けた先月27日のウェストハム(West Ham)戦の後、本拠地キング・パワー・スタジアム(King Power Stadium)のピッチから飛び立った直後にヘリコプターが墜落して炎上し、他の4人の同乗者と共に亡くなった。

 ピュエル監督は、「長距離の旅だったが、ご遺族を支えるのと同時に、ウィチャイ会長に敬意を払うためにとても重要なことだった」「7日に少し練習をこなして、きょうも軽めのトレーニングを行った。あしたも同じだ」と述べた。

「この試合に備えることは簡単ではない。感情的にもそうだが、一貫した練習がまったくできていない。しかし、その分はチームの精神と姿勢、そして当然のことながらファンのサポートによって補われるだろう」「(カーディフとの)前節では、感情面でもプレー面でも適切なバランスを見いだすことができた。次も同じような姿勢で臨み、正しい態度で会長に敬意を示さなければならない」

 ピュエル監督は選手たちに対して、10日の試合で感情とうまく向き合っていくことを望んでいる一方で、悲劇に直面してからの振る舞いについて、「選手たちはこの上なく立派な態度を示している。家族みたいだ」「これから一歩ずつ乗り越えていくことになるだろうが、選手たちの集中力と精神力を感じる」「彼らはこの事故からたくさんのことを学んでいる。私は彼ら全員を誇りに思う」と称賛した。

 10日の試合では、スタジアムの大型スクリーンでウィチャイ会長へ向けた特別ビデオの上映をはじめ、墜落事故の犠牲者に対する数々の追悼イベントが執り行われることになっている。また、街の中心部からスタジアムまで、ファン数千人の行進も予定されている。(c)AFP