【10月30日 AFP】米アップル(Apple)に同社の製品「アップルウオッチ(Apple Watch)」を納入している中国南西部・重慶(Chongqing)市の工場で、学生が「ロボットのように」強制的な労働に従事させられているとの報告がNGOからあり、アップルが調査を開始した。

 労働者の権利擁護を掲げる香港のNGO「企業の不正行為に対抗する学生と学者たち(Students and Scholars Against Corporate MisbehaviourSACOM)」によると、問題の工場で働く学生の多くが職業訓練に関する学位取得のために強制的に働かされており、夜勤も余儀なくされているという。

 SACOMは今年の夏に重慶の工場で学生28人に聞き取り調査を行い、先週になって報告書を発表。それによると自発的に仕事に応募した学生は一人もおらず、全員インターンとして働いていた。

 中国では新商品の発売時やクリスマス商戦のために生産量を増やす時、人員確保のために製造会社と専門学校の提携が広く行われていると人権団体などが指摘しており、SACOMによると電子商取引を専攻するある学生は「(働きに)行くことを拒めば、学校から卒業証書の発行を止められる」と語った。

 製造業におけるインターンシップはいくつかの条件の下、中国の労働法で許可されている。しかし、SACOMはインターンシップを名目に行われている労働が「学習とはまったく何の関係もない」と指摘し、法律の条項に違反しているものもあると糾弾した。

 SACOMの聞き取り調査に対し、18歳のある学生は「流れ作業をするロボットみたい」「毎日、同じ作業を何百回も何千回も繰り返している」と述べたという。(c)AFP