【10月29日 AFP】大統領が首相の電撃解任に踏み切ったスリランカの最大都市コロンボで28日、首相派の閣僚のボディーガードが発砲し、1人が死亡、2人が負傷した。解任は憲法違反だと反発する首相派と大統領派が対立する「憲政の危機」がエスカレートしている。

 スリランカでは26日、マイトリパラ・シリセナ(Maithripala Sirisena)大統領がラニル・ウィクラマシンハ(Ranil Wickremesinghe)首相(69)を突然解任。新首相に前大統領のマヒンダ・ラジャパクサ(Mahinda Rajapakse)氏を任命し、政情が一気に不安定化した。

 警察によると、大統領を支持する人々が28日、首相派のアルジュナ・ラナトゥンガ(Arjuna Ranatunga)石油資源開発相の執務室を取り囲んだ際に、ラナトゥンガ氏のボディーガードが発砲。3人が負傷し、うち34歳の男性がまもなく死亡した。今回の政治的混乱で死者が出たのは初めて。

 ウィクラマシンハ氏は、首相公邸からの退去を拒み、立てこもっている。公邸の周囲には仏教僧ら1000人以上の支持者が集結し、シュプレヒコールを上げている。

 同氏は自身の解任は違憲だと主張し、過半数の議員から支持があることを確認するため議会の緊急招集を求めている。(c)AFP/Amal JAYASINGHE