【10月14日 AFP】バチカンで14日、ローマ・カトリック教会の第262代法王、故パウロ6世(Paul VI)と、中米エルサルバドルで1980年に教会の祭壇で射殺されたオスカル・ロメロ(Oscar Romero)大司教らの列聖式が執り行われた。

 1963年に就任したパウロ6世は、強力かつ御し難い法王庁の改革を試みた法王とされる。法王の華美な装飾を拒否したことでも知られ、宝石がちりばめられた法王の冠を、就任式からまもなく貧者のための寄付に充てた。

 一方のロメロ大司教は、貧困にあえぐ中米エルサルバドルの右派政権時代、農民らの権利擁護に立ち上がった。反動的な政府からは「解放の神学」の過激な支持者とのレッテルを貼られた一方、「声なき者の声」を上げる人と呼ばれていたが、1980年3月24日、ミサの準備をしていた際に銃で撃たれて暗殺された。これが7万5000人の命が奪われた同国の内戦の始まりとなった。

 14日の列聖式で、フランシスコ(Francis)法王は血痕が残るロメロ大司教のベルトを着用し、パウロ6世が所有していた聖杯や儀式用のつえを使った。

 法王が「今日ここに、パウロ6世およびオスカル・アルヌルフォ・ロメロ・ガルダメスを聖人の列に加える」と宣言すると、世界各地から訪れた数万人の信者から一斉に歓声が上がった。(c)AFP/Ella IDE