【10月14日 AFP】UEFAネーションズリーグ(UEFA Nations League 2018-19)は13日、各地で試合が行われ、リーグAのグループ1ではオランダに0-3で敗れたドイツのヨアヒム・レーブ(Joachim Loew)監督が、12年の在任期間で最大の危機に直面している。

 前半にイングランド・プレミアリーグのリバプール(Liverpool FC)に所属するDFビルヒル・ファン・ダイク(Virgil Van Dijk)のゴールで先制したオランダは、終盤にメンフィス・デパイ(Memphis Depay)とジョルジニオ・ワイナルドゥム(Georginio Wijnaldum)が加点し、ホームのヨハン・クライフ・アレナ(Johan Cruyff ArenA)で完勝した。

 W杯ロシア大会(2018 World Cup)ではF組最下位でグループリーグ敗退に終わったドイツは、暗闇から抜け出せずにいる。このグループの最下位となったドイツは、16日にパリで行われるW杯王者フランスとの一戦に臨む。

 自身の進退が議論されることを覚悟しているレーブ監督は、ドイツ公共放送ZDFに対し「もちろん。議論があることは理解している。われわれはそれに対処しなければならない」とコメントしている。

「これからの2日間、パリでのフランス戦に向けて準備に全精力をささげる。公の場でその議論に加わることはないが、そういったディベートがあるのは普通だし、極めて正常なことだ」

「フランス戦ではチームのキャラクターを示し、オランダとのリターンマッチでは勝利しなければならない。さもなければわれわれは降格する」「チャンスはいくつかあったがそれを決めきることができなかった。決めることができれば自信になったのだが。最後はチームがバラバラになってしまった」

 元ドイツ代表の主将ミヒャエル・バラック(Michael Ballack)氏は、W杯の惨敗後もレーブ監督が指揮を執り続けるのは「驚き」だと口にしており、オランダ戦の完敗で指揮官交代の圧力は増している。

 レーブ監督はこの試合でもマヌエル・ノイアー(Manuel Neuer)、ジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)、マッツ・フンメルス(Mats Hummels)、トーマス・ミュラー(Thomas Mueller)といったバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)の主軸に勝利を託したが、選手はその期待に応えられなかった。

 ミュラーは前半に、そしてミュラーに代わり途中出場したリロイ・ザネ(Leroy Sane)は後半に決定機をものにできなかった。フンメルスは「チームは厳しく罰せられることになるが、自分たち以外を責めることはできない」と語り、ドイツ国内で批判が起きるのはやむなしとの考えを示した。

 また、ドイツはここ19試合すべてで失点を喫しており、守護神であり主将のノイアーは「チャンスがあまりにも少なすぎたが、早い段階でリードを奪うべきだった。最後はオープンになりミスを犯してしまった」と語った。

 一方のオランダは16年ぶりとなるドイツからの勝利に歓喜した。ロナルド・クーマン(Ronald Koeman)監督は「ラッキー部分が必要なときもあるが、われわれは白星に値した。あらゆる場面でファイトし、よく守った」と勝利を喜んだ。

「ドイツも悪くなかっただけに信じられない結果だ。われわれが最後にドイツを倒したのは16年前になる。才能ある若いチームで正しい道を進んでいる」 (c)AFP