【10月13日 AFP】陸上男子100メートル走の世界記録保持者で、現在はサッカー豪Aリーグのセントラルコースト・マリナーズ(Central Coast Mariners FC)に練習生として参加しているウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏が12日、プレシーズンマッチに先発出場し2得点を挙げ、存在感をアピールした。

 昨年陸上選手を引退し、プロサッカー選手への転向を目指しているボルト氏は、股間の辺りを蹴られながらも、シドニーで行われたマッカーサー・サウス・ウェスト・ユナイテッド(Macarthur South West United)との試合で2ゴールを記録した。

 32歳のボルト氏は55分に左足のシュートで得点を決めると、トレードマークである「ライトニングボルト」のポーズで自身のゴールを祝った。この試合は、プレシーズンマッチとしては異例となる5000人のファンが観戦に訪れた。

 自身がたたき出した100メートルの世界記録である9.58秒にあやかって95番の背番号をつけたボルト氏は69分、相手守備陣がもたついた隙を突いてまたもゴールを挙げてチームのスコアは4-0になり、その6分後に交代でピッチを後にした。

 マリナーズに練習生として加入して以降、ボルト氏にとってはこの試合が初先発の機会となった。

 ボルト氏は試合後、豪FOXスポーツ(Fox Sports)に対し「チャンスをつかむことができて幸せだ。自分を誇りに思う」とコメントした。

「初先発で2得点は立派な結果だ。良い気持ちだった。このために努力してきた。もっとうまくなれるようにトライし、今それを行っているところだ」

 またボルト氏は「学ぶことがたくさん」あり、マリナーズとプロ契約を結びたいと強く思っていると明かした。

「切望しているよ。ベストを尽くしてプレーし、チームに加わるために私はここにいる」

 マリナーズとプロ契約を結べるかは未定だが、チャンスを逃し、テンポと試合運びに苦しんだ前半の後に生まれたこの2得点は、ボルト氏の才能の正当性を裏付けるものとなった。

 ボルト氏は記者団に対し、「彼ら(チームスタッフ)は練習で私をチェックし、私に何ができるかを見ていた。だから彼らは私について分析する必要があり、『このクラブでプレーするに十分か?』ということを考えなくてはならなかった。そのことを私に伝えるだろう」と話した。

「しなければならないこと、そしてできるだけのことをしたまでだ」

 マリナーズは来週開幕する新シーズンに向けてボルト氏をAリーグでの戦力にすべく、トップチームでマンツーマンの練習を課している。

 マリナーズは21日に行われる今季の開幕戦で、ブリスベーン・ロア(Brisbane Roar)と対戦する。(c)AFP/Glenda KWEK