「ボルトが生きるのはDF」、W杯優勝の名将が指南
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【9月14日 AFP】サッカーW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)でスペイン代表を優勝に導いたビセンテ・デル・ボスケ(Vicente del Bosque)氏は、陸上短距離の元世界王者で現在はサッカー選手としての挑戦を始めたウサイン・ボルト(Usain Bolt)氏の所属クラブに対し、DFとして試合に出すようアドバイスを送った。
ジャマイカのスーパースターであるボルト氏は選手契約を目指し、豪Aリーグに所属するセントラルコースト・マリナーズ(Central Coast Mariners FC)の練習に無期限で参加する機会を与えられている。
五輪で八つの金メダルを獲得したボルト氏は、先月行われた練習試合で念願のデビューを飾り、途中出場ではあったものの、自身が好む左ウイングのポジションに入ると20分間プレーした。
ボルト氏は得点に迫ったもののすぐに疲れをみせると、まだコンディションが整っていないと認め、オーストラリアの解説者もプロ契約を結ぶ前にボルト氏にはやるべきことがまだまだあると話していた。
欧州選手権2016(UEFA Euro 2016)でベスト16敗退となり、スペインでの指揮を8年で終えたデル・ボスケ氏は、たとえボルト氏が32歳であったとしてもサッカー選手になるという夢をかなえるのは可能だと述べた。
デル・ボスケ氏は「鋭いカウンターアタックを持ち、攻撃に切り替わった際に空いているスペースに素早く飛び出していけるチームであればそうなる(ボルト氏が適合する)。もちろんありうる話だ」とオリンピック・チャンネル(Olympic Channel)に語った。
また同氏は、100メートルの世界記録を持つボルト氏は前線よりもディフェンスでプレーした方が機能するのではないかと提案した。
レアル・マドリード(Real Madrid)に欧州チャンピオンズリーグ(UEFA Champions League)での成功をもたらしたデル・ボスケ氏は「スペースがあれば彼は非常に素晴らしいサッカー選手になりうる」と話し、以下のように続けた。
「彼は広いスペースをカバーするサイドバックになりうるが、それは状況にもよる。なぜならピッチの60、70メートルや100メートルをただカバーしていればいいというわけではないからだ」
「何度も繰り返す必要があり、それには運動量も求められる。彼がそれを持っているのかどうかは分からないがね。それでも、彼はきっと準備ができているだろう」
「サイドバックとして背中を観客やタッチラインの方に向けた状態でプレーさせることが、間違いなく彼の才能をもっとも引き出す方法だ」
デル・ボスケ氏は、仮にボルト氏がサッカー選手として成功すれば、それはこれまでに彼が成し遂げてきたものと同様に素晴らしい功績になるはずだと考えている。
「32歳でプロサッカー選手としてプレーし始めるなんて普通のことじゃないよ」とコメントし、以下のように続けた。
「しかし彼は32年間の人生で多くのものを勝ち取ってきたからこそ、『サッカー選手になりたいな』と言う権利を手にしたんだ」 (c)AFP