【10月5日 AFP】イタリア・セリエAのユベントス(Juventus)は4日、チームのスーパースターであるクリスティアーノ・ロナウド(Cristiano Ronaldo)選手の性的暴行疑惑に関して沈黙を破り、被害者とされる米国人モデルの訴えが同選手に対するクラブの見解を変えることはないと述べた。その一方で、ロナウドのスポンサーである米スポーツ用品大手のナイキ(Nike)は、この事態に「深く憂慮」していると明かした。

 リーグ王者のユベントスはツイッター(Twitter)に、「クリスティアーノ・ロナウドはこの数か月間、素晴らしいプロフェッショナリズムと献身を示しており、ユベントスの全員がそのことに感謝している」とすると、「ほぼ10年前に起きたとされる出来事が、チームの見解を変えることはない。それは、この偉大な王者と触れ合ってきた誰もが共有している」と投稿した。

 ユベントスはまた、ユーチューブ(YouTube)とツイッターに投稿した動画で、伊トリノのコンティナッサ(Continassa)にあるチームのトレーニング施設において、6日に行われるウディネーゼ(Udinese)とのリーグ戦に向けてチームメートと練習に汗を流しているロナウドの姿を公開。動画には「ユベントスはゴールを目指す。クリスティアーノ・ロナウドが標的発見!」という表題がつけられていた。

 このツイートを受けてソーシャルメディアでは、「ひどく軽蔑的で無神経だ」という批判の声が広く寄せられ、代表的な意見として「このようなメガクラブからは、もっと気遣いのある繊細なアプローチを期待する」というコメントがみられた。

 さらに、ロナウドの強力なスポンサーであるナイキもこの問題を危惧しており、広報担当者はAFPの取材に対して、「今回の気がかりな疑惑について深く憂慮している。今後も状況を注意深く見守っていく」と述べた。

 米経済誌フォーブス(Forbes)によると、米プロバスケットボール(NBA)のアイコンであるレブロン・ジェームズ(LeBron James)とマイケル・ジョーダン(Michael Jordan)氏とともに、ロナウドはナイキから生涯契約を提示されたわずか3人のうちの一人となっている。

 ロナウドを筆頭とした人気選手が登場するビデオゲームを販売して大きな売り上げを記録しているEAスポーツ(EA Sports)も、今回の疑惑に関して「懸念している」としており、「われわれは、この状況を注意深く監視していく。パッケージの顔となっているアスリートやアンバサダーには、EAの商品価値に見合った振る舞いを期待する」というコメント文を発表した。

 サッカー界最高の選手で長者番付でも常連の一人であるロナウドは、今回の性的暴行疑惑でその名声が危機にひんしている。米ラスベガス警察は今週、事件の捜査を再開することを明らかにした。

 被害者とされる元モデルのキャスリン・マヨーガ(Kathryn Mayorga)さんは、2009年6月にラスベガスのホテルでロナウドから性的暴行を受けたと訴えているが、同選手は疑惑を否定すると同時に身の潔白を主張している。(c)AFP/Emmeline MOORE