【9月29日 AFP】ボクシング元ヘビー級世界王者のマイク・タイソン(Mike Tyson)氏が28日、初めて訪れたインドで自身を「スラムドッグ(貧民街の子ども)」だったと強調した。

 52歳のタイソン氏は、2008年に大ヒットした映画『スラムドッグ$ミリオネア(Slumdog Millionaire)』の舞台となった同国ムンバイ(Mumbai)で、「最も成功したファイターはスラム街の出身だ。現在トップに立っているファイターは、全員がスラム街から来ている」と述べた。

 PTI通信(Press Trust of India)はタイソン氏のコメントを引用し、「貧しければ貧しいほど、優秀なボクサーになる。俺はスラムドッグだ。スラム街で育ったんだ。スラムから抜け出すという野望があったからこそ、今は自分はここにいる」と伝えた。

 ムンバイでは、人口の50パーセントに相当する2000万人がスラム街に住んでいるとされている。そのほとんどは、アジア最大級のスラム街の一つと称され、ダニー・ボイル(Danny Boyle)監督による同映画の舞台となったダラビ(Dharavi)地区に集まっている。

 同映画のタイトルについては軽蔑的な意味で言及される「ドッグ」という言葉が使われていることから、インドの評論家からは批判の声が上がっていたが、ボイル監督は攻撃的な意味は何もないと反論していた。

 総合格闘技の新リーグのプロモーションのためにインドを訪れているタイソン氏は、ダラビ地区にも行く計画があると話した。(c)AFP