【9月26日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は25日、国連総会(UN General Assembly)で演説し、全加盟国に対しイランの孤立化を呼び掛けた一方、かつての敵国である北朝鮮を称賛した。演説ではトランプ氏が臆面もなく繰り出す自賛の言葉に、各国首脳から笑いがこぼれる場面もあった。

 トランプ大統領はイランのハッサン・ロウハニ(Hassan Rouhani)大統領に先立ち行った演説で、イラン政権は「混乱、死、そして破壊」の種をまいていると糾弾し、イラン核合意から米国を離脱させるとした今年5月の自身の決定を擁護した。

 トランプ氏は1年前の総会で北朝鮮を「完全に破壊する」などの攻撃的な言葉で国連加盟国を驚かせたが、今回はかつて激しく対立していた北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン、Kim Jong-Un)朝鮮労働党委員長の「勇気」を称賛。北朝鮮との脆弱(ぜいじゃく)な和平努力についても進展をたたえた。

 演説では、自らの政権が「わが国の歴史上、どの政権よりも多くを達成した」というトランプ氏の発言に対し会場から笑い声が起きるという、荘厳な国連総会では極めて異例の一幕もあった。トランプ氏はこれに対し「その反応は予想していなかったが、大丈夫だ」と応じた。

 一方、国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は総会冒頭の演説で、規則に基づく国際秩序への信頼や国家間の信頼が「限界点に達している」とし、国際協力がより困難になっていると指摘。トランプ氏への直接の言及は避けつつ、「普遍的な価値観がむしばまれている。民主主義の原則が攻囲されている」と述べた。(c)AFP/Carole LANDRY