【9月21日 東方新報】毎年、中秋節(Mid-Autumn Festival)前後になると、全国各地で上海ガニシーズンを迎える中国。特に江蘇省(Jiangsu)蘇州市(Suzhou)の陽澄湖(Yangcheng Lake)産の上海カニは、最高級品として多くの人たちから親しまれている。ところが最近、陽澄湖の狩漁解禁日前にもかかわらず、多くのECサイト上ではすでに陽澄湖産上海ガニが市場に出回るなど、偽造防止などの対策が急がれている。

 毎年、陽澄湖の狩漁解禁日は9月22日前後で、この時期のカニは肉質・風味とも最もおいしい旬の時期と言われ、陽澄湖でもすでに9月21日を解禁日とすることを正式に発表していた。だが、記者がECサイトで検索をするとすでに多くの販売業者が陽澄湖産の上海ガニを販売しているのだ。

「上海ガニ」とキーワード検索をすると、陽澄湖のカニ販売業者が表示され、「在庫があれば即時配送」と紹介する業者が多い一方で、「現在は予約のみで、21日の解禁後に配送」と紹介する販売業者もいる。

 記者が取材した業者の多くが、「配送可能な陽澄湖産の物はすべて本物」と答えた。しかし今年の陽澄湖の解禁日が9月21日であることに触れると、ある業者は6月末ごろに出回った小型の上海ガニ(通称:六月黄)だと説明し、ある業者は、本物かどうかは商品に貼られたQRコードが付いたバーコードで調べるよう話す。

 多くの消費者にとっては、インターネット上で販売されている陽澄湖産の上海ガニが本物であるかどうかを見分けるのは難しい。また、原産地などを識別することができるQRコードの商品ラベルに至っては、ネット上で偽造用ラベルを簡単に購入できるという。

 蘇州陽澄湖大閘蟹行業協会の姚主任は、「確かに、以前に捕獲された陽澄湖産上海ガニは、消費者に販売されることはある。しかし、専用のQRコードラベルは21日の解禁日以降に各業者に届けられることになっているため、現段階で市場に出回っている『ラベル付き』上海ガニは偽物である可能性が高い」と言う。

 また、偽のQRコードラベルが出回っていることについて、協会のホームページで偽物商品やラベル認証に関する詳細や識別方法など消費者に紹介しており、消費者が偽の認証ラベルを発見した場合には通報するなど呼びかけている。(c)東方新報/AFPBB News