■ネットワークを持ったクラブは他にも

 英サルフォード大学(Salford University)のサイモン・チャドウィック(Simon Chadwick)教授はAFPに対し、複数のクラブの経営に参加する戦略はこれまでに15から20あったと話した。

 その範囲はベルギーのサークル・ブルージュ(Cercle Brugge)を買収したASモナコ(AS Monaco)、あるいはイタリア・セリエAのウディネーゼ(Udinese)やプレミアリーグのワトフォード(Watford FC)、スペイン1部リーグのグラナダ(Granada CF)を所有するイタリアのポッツォ(Pozzo)一家から、国際的な野心を持つレッドブル社やシティ・フットボール・グループ(City Football Group、CFG)にまで及ぶ。

 シティ・フットボール・グループはUEFAとの問題を避けるため、異なる大陸でクラブの経営を行っている。同グループはマンチェスター・シティ(Manchester City)やニューヨーク・シティFC(New York City FCNYCFC)、メルボルン・シティ(Melbourne City)、ウルグアイのアトレティコ・トルケ(Atletico Torque)の経営に参加している他、Jリーグ1部(J1)の横浜F・マリノス(Yokohama F Marinos)やスペイン1部リーグのジローナ(Girona FC)の株式も保有している。

 チャドウィック氏は「純粋にサッカー面では、クラブとして才能ある選手を獲得するためのネットワークを構築することが重要だ」と話す。

「サッカーの試合で勝利するには、可能な限り最高の選手が必要である。そして最高の選手を集めるために、ネットワークを基礎として運営すれば、より多くの場所に人を置いてより試合を観られ、より多くの選手がスカウトできる」

 またレッドブル社はモータースポーツやアイスホッケー、エクストリームスポーツ、セーリングといった競技にも深く関わっている。

 RBライプツィヒとレッドブル・ザルツブルクの試合がたとえどんなスコアになったとしても、商業的に勝利を収めるのはレッドブル社に他ならない。(c)AFP/Yassine KHIRI