【9月18日 東方新報】中国の6月の金融機関預金残高は、前年同期比8.4%増加した。伸び率は、ここ40年で最低だった。また、7月末の全国の個人預金残高は約68兆4000億元(約1100兆円)で、人口14億人で割ると、一人当たり5万元(約82万円)に満たない。

 国家統計局によると、2017年の中国人一人当たりの可処分所得は2万5974元(約42万4000円)で、1978年と比べて22.8倍に増えた。

 だが、預金残高の伸びはこの40年で最低だ。

 格付け会社の東方金誠国際信用評価のアナリスト徐承遠(Xu Changyuan)氏は、「個人の預金残高の伸びの鈍化は、この数年続いている。消費観念の変化や、社会保障システムの整備に加え、個人資産が不動産投資に向かっていることが背景にある」と指摘した。

 不動産市場は上昇が続く。今後も上昇が止まらないと考える人々は、不動産投資を加速しており、住宅ローン残高も右肩上がりが続いている。18年7月末時点で、住宅ローン残高は年初より10%以上増え、預金の伸びを大きく上回る。

 徐氏はさらに、「インターネット金融、ファンド、信託など投資商品の多様化で、資産の投資先も分散している。銀行預金よりも利率が高く、競争力が高い商品が増えているのも、預金が減っている一因だろう」と述べた。

 また、消費観念の変化に伴ってローンの利用も増加しており、預金の増加を抑えているとの指摘もあった。(c)東方新報/AFPBB News