【9月18日 AFP】ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領は17日、連邦最高裁判事に指名したブレット・カバノー(Brett Kavanaugh)氏(53)に性的暴行疑惑が浮上したことを受け、カバノー氏を擁護する一方で、指名承認に遅れが出る可能性は否定しなかった。

 トランプ氏はホワイトハウス(White House)で、カバノー氏の指名は「予定通り、まさに予定通りだと思っている」と述べ、「もし少し遅れるとしても、ほんの少しの遅れだろう」との見方を示した。

 さらに記者団から、カバノー氏から指名辞退の申し出があったかとの質問を受けたトランプ大統領は、「何というばかげた質問だ」と一蹴した。

 保守派のカバノー氏はこれまで、与党優勢の上院で順調に指名承認を得られるとみられており、実際に就任すれば、今後何年間も最高裁の右傾化が強まる可能性が指摘されていた。

 そのカバノー氏をめぐり、カリフォルニア州パロアルト大学(Palo Alto University)で臨床心理学を専門とするクリスティン・ブレイジー・フォード(Christine Blasey Ford)教授が、共にまだ10代だった時に、カバノー氏に押さえつけられて性的暴行を受けそうになったと告白。

 カバノー氏はホワイトハウスを通じ、「フォード氏にも他の誰に対しても」そのような行為に及んだことは一度もないと断言した。

 カバノー氏とフォード教授の双方が、上院で証言する用意があると表明したことから、20日に予定されていた上院司法委員会での指名承認投票が予定通り行われるかどうかは不透明となっている。

 11月の中間選挙を間近に控え、トランプ氏率いる共和党は有権者からの強い反発を懸念している。そこへ来て持ち上がったスキャンダルで、順当と目されていたカバノー氏の指名承認が、トランプ氏に大きな痛手をもたらす可能性が出てきた。(c)AFP