■家族のテーマは国境を超える

 コミックス・ウェーブ・フィルムのCGチーフとして多くの新海作品に携わった竹内監督は、本作の「小さなファッションショー」ではオリジナル作品として初監督を務めた。新海作品については熟知しているが、初めてのオリジナル作品で中国の物語を作らなければならないことにプレッシャーを感じたという。

「小さなファッションショー」は、広州(Guangzhou)で暮らすファッションモデルの姉とその妹による愛情の物語だ。

 竹内監督は「僕は中国で生活をしたことがないので、作品を制作するにあたり、広州に行って現地で写真を撮り、現地の生活を感じてきました。背景美術は、忠実に広州の景色を再現しました。実際に姉妹の背景に出てくる場所を訪ねてみれば、ここだったんだ!ときっと気づくと思います」と話した。竹内監督は、作品を通して「周りの人を大切にする気持ちを大事にしてほしい」と願っているという。

■日中合作の新しい試み、「互いに学べる機会だった」

 日中合作について、李監督は挑戦に満ちた作品であり、またお互いに学べる機会だったという。

「日本のアニメ制作技術は私たちの前を走っています。私たちが参考にし、学ぶ価値があります。また、日本は中国の市場についてあまり理解をしていません。中国との合作を通してお互いに学ぶことができる」と話した。

 今後の日中合作アニメ制作について、竹内監督は期待をしており、「機会があればまた作品を制作し、日中のみなさんに届けたい。現在、日本のアニメに関わる人材は少なく、技術の継承が問題になっている。CGなどの新技術の普及により、中国、韓国や東南アジアでのアニメ制作が、ここ数年で迅速に発展している」と話した。(c)東方新報/AFPBB News