中国汽車流通協会の賈新光(Jia Xinguang)常務理事は、「中国の新エネ車は、多くがテスラのModel3と近い30万元(約490万円)前後だ。テスラが量産体制に入れば、国内メーカーは当然影響を受けるだろうし、猶予は2年しかない」と述べた。

 さらに、中国メーカーの新エネ車の航続距離はModel 3に大きく劣る。Model 3の航続距離は499キロに達するが、中国勢の新エネ車の航続距離は、ほとんどが400キロに届かない。

 テスラの中国工場が稼働すれば、中国のEV市場の競争は激化必至だ。コストパフォーマンスに劣る中国勢は、旗色が悪い。

 EV生産やモビリティーサービスに従事する華人運通技術(Huaren Technology R&D)の丁磊(Ding Lei)董事長は「テスラは狼だ」と話した。

 丁董事長は、「20年にテスラが50万台を中国で販売したら、中国メーカーにとって大きな圧力になる」と語る。

 とはいえ、中国メーカーや部品メーカーにとって、必ずしも悪いことばかりでもない。

 中国汽車工業協会の許海東(Xu Haidong)秘書長補佐は、「テスラが競争を持ち込んでくれたら、国内メーカーにとっては、テスラというベンチマークができる」と指摘する。

 テスラが13年に中国にショールームを開設して以来、中国メーカーはテスラをライバル視し、その結果大きな進歩を遂げた。新商品の開発スピードが加速し、航続距離も長くなっている。

 全国乗用車市場信息聯席会の崔東樹(Cui Dongshu)秘書長は、「テスラが中国で生産を始めれば、生産コストが低下し、価格も安くなるだろう。同時に、同社のサプライチェーンは中国メーカーにとって多くの学びを与え、部品メーカーの進歩にもつながると期待している」と述べた。(c)CNS/JCM/AFPBB News