■「感銘を受ける仕事ぶり」

 受刑者たちは、時給13クローナ(約160円)で週35時間働き、週2日の休日を与えられている。

 だが休日でも「問題がないかどうか確認するため」定期的に小屋に足を運ぶとアルフレッドさんは語った。

 ロジャン刑務所のブリットマリー・ヨハンソン(Britt-Marie Johansson)所長は、他の受刑者たちも、休日と牛の出産日が重なった時に「どうでしたか? 子牛は大丈夫でしたか?」と電話をかけてきたことがあると、ほほ笑みながら語った。

 農場の生産責任者であるマイケル・ヘニンソンさんは、受刑者らの仕事ぶりを高く評価している。「多くの受刑者は、一度もやったことがないことでも非常にうまく作業している。(わずか数日の訓練の後で)彼らの取り組む姿勢には感銘を受ける」と笑顔で語った。

 同農場は2012年、牛乳の品質の高さを評価され、カール16世グスタフ(King Carl XVI Gustaf)国王から賞を授与されたこともある。ヘニンソンさんによると成功の鍵は、農場運営に必要とされる厳格な日課にあるという。

 一方、アルフレッドさんは牛たちと過ごす時間を楽しんではいるものの、刑期を終えた後に農場関係の仕事に就くつもりはないという。幼少期に祖父の農場で牛に囲まれて育った彼は「その世話がどんなに大変か目の当たりにした。あまりに重労働だ」と話した。(c)AFP/Hélène DAUSCHY