【9月17日 東方新報】大学3年生の小敏さんは最近忙しい。切符の購入、応援ゾーンの割り振り、ライトボードの購入、演奏会への勧誘など。大好きなアイドルの5周年コンサートのため、2か月もスターに尽くしてきた。

 今風の中国語でファンは「飯(fan)」と言い、ファンのグループは「飯圏」または「飯団」と呼ぶ。

 かつて、スターやバンドの追っかけをしていた人々は、アルバムを買うのも、コンサートに行くのも、個人としてであり、ファンの「グループ」という概念は無かった。

 近年は、ファングループが大きくなることで、アイドルビジネスのすそ野が広がっている。アイドルのために関連グッズを買い、広告場所を借りて宣伝をし、アイドル選挙や慈善公益事業への参画など多様化している。

 小敏さんが追っかけているアイドルは、中国の男性アイドルグループのメンバーの一人だ。アイドルのためにお金は飛んでいく。アルバムと関連グッズ、飛行機の切符、コンサートチケットの費用など。毎年行われるコンサートや記念行事などは欠かすことのできない重要イベントだ。

 小敏さんは、「今年はコンサート会場で応援が少しでも華やかになるようにライトボードを揃えることが任務だ」と言う。後援会やファンリーダーを通してファン全体に対して購入を呼びかける。「ライトボードは多ければ多いほど良い!」と、小敏さんは1個188元(約3040円)、1メートル四方のライトボードを一挙に8個買った。

「後援会のメンバーはみんな買ってます。会場に行かなくてもアイドルに貢献できるから」と、もう一人のファンの小玉さん。

 用事があって会場まで行けない時は、ライトボード購入サイトで資金集めに参加する。「資金集めグループは随時作られ、出資方法は多様で常に新しいやり方が生み出される」という。

「先日までは支付宝(アリペイ、Alipay)の『領紅包(ご祝儀集め)』という機能を利用し、ファンのリーダーが集金用のQRコードを作成し、一般のファンはそれをスキャンしご祝儀を送る形で資金を集め、ライトボード購入に充てていた。直接、微信支付(ウィーチャットペイ、WeChat Pay)やアリペイを通して送金をする人もいる」

 小玉さんが参加した資金集めは、アリペイの「ご祝儀集め」だけで数万元に上り、ファンが直接送金した部分も数万元に上る。具体的に合計がいくらになったのか、小玉さん自身「公開されていないのでわからない」という。