■脅迫受け情報機関の保護下で生活

 カカバーベ氏はスウェーデンで社会福祉の学位を取得。2005年にはフランスの女性の権利活動家グループ「Ni Putes Ni Soumises(娼婦でもなく従属物でもない)」のスウェーデン支部を立ち上げた。

 主に女性の解放に取り組んでいるカカバーベ氏は、未成年女子がイスラム教徒のヘッドスカーフをかぶることや宗教学校の禁止を訴えており、クルド人やアラブ人の社会にある「宗教過激主義」や「名誉を理由とした女性の抑圧」への強硬な反対活動で知られている。

 カカバーベ氏はスウェーデン国内で知名度が高い政治家とはいえないものの、「人種差別主義者や原理主義者」に脅迫され、テロ対策を担う情報機関SAPOの保護下で生活しているという。

 歯に衣着せぬ言動が災いし、カカバーベ氏は9日の総選挙で左翼党の候補者名簿に掲載されなかった。別の党から首都ストックホルムの選挙区に立候補したが、当選の可能性は低いと考えている。

 当選しなかったらどうするつもりかとの質問にカカバーベ氏はためらうことなく「何か別のことを」と答えた。「どこか別の国、あるいは別の大陸で抑圧された女性のための社会福祉活動をするかもしれません」 (c)AFP/Gaël BRANCHEREAU