■立派に巣立つきっかけ

 しかし今、このマクドナルドは閉店の危機にある。同社フランス法人との合弁でこの店舗を運営しているフランチャイズオーナーが、赤字店舗だとして、ムスリム住民をターゲットとするハラルフードチェーンに売却したがっているのだ。

 だが、従業員らは採算が取れないというオーナーの主張に反論し、数か月にわたって抗議を続けている。売却は余剰者解雇手当の支払いを避けるためのオーナーの策略だと彼らは主張し、裁判に訴え出た。

「マクドナルドの給料が悪かろうと、労働条件が悪かろうと、この地区の住民の生活すべてが、この仕事、この店を中心に回っている」と、従業員側の弁護士は語る。「マクドナルドはそのことに気付く必要があるし、彼らにはそこから立派に巣立つことが必要なんだ」 (c)AFP/Olivier LUCAZEAU and Anahide MEREYAN with Adam PLOWRIGHT in Paris