【8月13日 AFP】ファストフード大手マクドナルド(McDonald's)の南仏コート・ダジュール(Cote d'Azur)の店舗で、店長が「物乞い」に食べ物を与えないよう従業員に指示したとされる内部メモが流出し、同社フランス法人は12日、謝罪に追い込まれた。

 メモは消費者団体がマイクロブログのツイッター(Twitter)上で公開したもので、「店長」の署名入りで「7月25日の一件についてですが、物乞いに食べ物を与えることは正式に禁止されています」と書かれている。

 メモはさらに「注意しておきますが、従業員は店内で食事してください。賄いは個人を対象とした福利厚生で、受ける権利はその従業員に限定されています」と続き、「マクドナルドは、世界中の飢えた人々全員に食事を提供するために存在しているわけではありません!」と締めくくられていた。

 メモを暴露した消費者団体は公式ウェブサイトで、店の外にいた路上生活者たちに自分の食事を分け与えたとするマクドナルドの店員1人の証言を紹介している。「私が食事を分けてあげた人たちのスマイルはプライスレス」だと、この店員は語ったという。

 マクドナルド・フランスは、メモは「7月25日の夕方に起きた、ホームレスの人々との重大な事件を受け、再発防止と顧客の安全のために出されたもの」との認識を示した上で、「手続きと表現が不適切だった」「今回のメモにショックを受けた可能性のある人々に謝罪し、全ての顧客に分け隔てなくサービスすることを改めて念頭に置くよう、当該店舗に指示した」との声明を発表した。(c)AFP