【9月7日 AFP】インドネシア・アチェ(Aceh)州のビルン県(Bireuen)は、夫婦や親戚でない男女が飲食店で飲食を共にすることを禁止した。当局者が5日、明らかにしたところによると、女性により正しく振る舞ってもらうためだという。

 スマトラ(Sumatra)島の北端に位置するアチェ州は、世界最多のイスラム教徒人口を抱えるインドネシアの中でも唯一、イスラム法(シャリア)が施行されている州で、これまでもたびたび女性の行動を制限し、非難を浴びてきた。

 また同州では、同性愛や賭博、飲酒などが違法行為とされ、それらに適用される一般的な刑罰として公開むち打ち刑も行われており、世界的な批判を浴びている。

 今回の新たなイスラム法により、ビルン県の女性は夫か親族の男性が同席していない限り、レストランやカフェで男性と飲食を共にすることができなくなる。職場の同僚も例外ではなく、一緒にランチを楽しむことは許されない。

 ビルン県のシャリア当局のトップは5日、「(新法の)目的は女性の尊厳を守り、それによって女性がいっそう快適に安心して過ごすことができ、より節度をもって振る舞い、シャリアに違反しなくなることだ」とAFPに語った。

 同日、ビルン県知事が署名した通達の中には、レストランやカフェは午後9時以降、独りで訪れた女性や家族が同伴していない女性にサービスを提供してはならない、という規則も含まれている。

 当局によると、新法に違反しても罰則が科されることはなく、順守するかどうかの判断は各飲食店に委ねられるという。(c)AFP