【9月5日 AFP】イギリス海峡(English Channel)で先週発生したホタテ漁場をめぐる英仏漁船の争いを受け、フランス政府が同海域に海軍を派遣するとした決定について、英政府は4日、支持する意向を表明した。

 フランスは同日、争いが起きたノルマンディー(Normandy)沖12カイリ付近の海域に海軍を待機させていると発表した。

 問題の海域では8月28日、英漁船5隻と仏漁船数十隻が小競り合いを起こし、緊張が沸点に達していた。動画によると、船体をぶつけ合っている船もあった。

 テリーザ・メイ(Theresa May)英首相の報道官は、英仏両政府ともにこうした暴力を非難しており、さらなる衝突の発生を防ぐことが共通の優先事項だと述べた。

 この「ホタテ紛争」の対立激化を回避するために、英仏の漁業界の代表は5日、英ロンドンで会談を行うことになっている。

 争点となっているのは、セーヌ川(River Seine)河口に近い、豊かなホタテ漁場だ。資源保護の観点から、フランス漁船がこの海域でのホタテ漁を認められているのは10~5月の間だけで、夏季は禁漁期とされている。しかし数年前に結ばれた合意により、全長15メートル未満の英漁船は禁漁期の対象外とされた。

 フランスの漁師らはこの抜け穴をふさぐよう求めており、フランス代表は5日に行われる会議で、全漁船を対象とした夏季禁漁の導入を強く求めていくものとみられている。(c)AFP