【9月2日 AFP】(更新)ドイツ東部ケムニッツ(Chemnitz)で1日、移民排斥を唱える極右と、反対する左派がそれぞれデモを行った。極右のデモには約8000人、左派のデモには約3000人が参加し、終了後に起きた乱闘で18人が負傷した。

 ケムニッツでは先月26日、シリア出身とイラク出身の男計2人の犯行とみられるドイツ人男性の刺殺事件が発生。それに対して極右が暴力的な抗議行動を続けていた。

 1日のデモには、反移民・反イスラムを掲げる極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」やイスラム嫌悪の反移民団体「西洋のイスラム化に反対する愛国的欧州人(PEGIDA、ペギーダ)」の呼びかけに応え、8000人が路上に集結。左派も緑の党や社会民主党(SPD)の議員らを含む3000人規模の対抗デモを行ったが、規模では極右が圧倒した。

 デモの最中は、国内各地の警察の応援を受けた地元警察が双方を引き離し、衝突を回避させたが、終了後、小規模なグループの間で乱闘が起きた。

 SPDのゼーレン・バルトール(Soeren Bartol)連邦議会議員はツイッター(Twitter)に、自身のグループがバスに向かっていた時にネオナチによって襲われたと投稿した。

 このほか、地元放送局MDRのテレビクルーも、デモを撮影中に暴行を受けたと発表。市中心部から離れた場所では、アフガニスタン出身の男性(20)が覆面の男4人から暴行を受け、軽傷を負った。

 ケムニッツでの外国人排斥デモを受けて、ハイコ・マース(Heiko Maas)外相は独紙ビルト日曜版(Bild am Sonntag)に「われわれはソファから立ち上がって声を上げなくてはいけない」と主張。「われわれは皆、民主主義者が多数派で、レイシスト(人種差別主義者)は少数派だということを世界の人たちに示さなくてはならない」と訴えている。(c)AFP