【9月1日 AFP】(更新)米国務省は8月31日、米国は国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)が「修正不能な欠陥」を抱えていると判断し、同機関への資金拠出を中止することを決めたと発表した。

 同省のヘザー・ナウアート(Heather Nauert)報道官は声明で、「政権は問題を慎重に検討し、米国がUNRWAに追加拠出をしないことを決定した」と述べた。

 ナウアート報道官は米国は今年1月に拠出した6000万ドル(約67億円)を最後にUNRWAへの資金提供はしないと述べた。米国は長年にわたってUNRWAにとって最大の資金拠出国だった。

 約500万人のパレスチナ難民を支援しているUNRWAは、パレスチナ自治区をはじめレバノン、シリア、ヨルダンで711の学校を運営し52万6000人の子どもたちに教育を提供している。これらの学校は最近一時閉鎖されたが、UNRWAは資金難から恒久的な閉校を余儀なくされる恐れがあると警告していた。

 昨年UNRWAの予算に3億5000万ドル(約390億円)を拠出した米国が資金提供を中止すれば大きな影響が出ると警告する声が各方面から上がっていた。UNRWAのピエール・クレヘンビュール(Pierre Krahenbuhl)事務局長は今週、今年末までの業務継続に2億ドル(約220億円)が必要だと語っていた。

 今年すでに8100万ユーロ(約100億円)をUNRWAに拠出したドイツは8月30日、金額を示さずにUNRWAに追加拠出すると発表し、欧州連合(EU)にもUNRWAへの財政支援を呼び掛ける姿勢を示した。(c)AFP/Francesco FONTEMAGGI