【8月30日 AFP】男子テニスのアンディ・マレー(Andy Murray、英国)は29日、全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2018)の酷暑に関するルールをめぐり、大会主催者はしっかりと規則を施行していないとして怒りを爆発させた。その一方で、同選手と対戦したフェルナンド・ベルダスコ(Fernando Verdasco、スペイン)は意に介さない姿勢を示している。

 この日、男子シングルス2回戦で対戦したマレーとベルダスコは、酷暑の中で行われた試合がストレートで終わらない際に許可される10分間の休憩を取った。マレーは冷たいシャワーを浴び、ベルダスコは氷風呂に入った。

 しかし、アーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)に戻ってきたマレーは、休憩中にベルダスコがコーチと会話をしていたと主審に対して激怒。また、休憩中にコーチと接触することは禁じられているため、近くにいた責任者を叱責した。

「責任者のところに話をしに行って、『あなたたちは何をしているんだ?明確なルールがあるのに、あなたたちはそれを見過ごしている。意味不明だ』と言った」と明かしたマレーは「これは世界最大のスポーツイベントの一つだ。そうしたルールがあるのなら、しっかりと守らなければいけない。片方の選手がコーチと話し、もう一方の選手がそれをできないなんてフェアじゃない」と続けた。

 それでもマレーは、酷暑に関するルールは全米オープンによって採用されたものであり、ATPツアーでは一般的な措置になっていないため、ベルダスコはルールを知らなかっただけかもしれないとの見解を示し、同選手が意図的に違反を犯したとは思わないと話した。

 一方のベルダスコ本人は、コーチと話すことが認められていないのは知っていたと述べ、実際にそのようなことはしていないと明かした。

 マレーに4セットで勝利した試合後、ベルダスコは「自分のチームのメンバーの誰とも一切話していない」とコメント。その上で、氷風呂に漬かっている間はマルコス・バグダティス(Marcos Baghdatis、キプロス)と同選手のコーチと言葉を交わしたが、自分のコーチが近くにいるのに気づくと、「一言も」話さないように注意したと付け加えた。

「私はルールについて正確に理解しているし、それを破るような人にはなりたくない」 (c)AFP