■「ビーチにいると思って…」

 全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)女王のキャロライン・ウォズニアッキ(Caroline Wozniacki、デンマーク)は、想像力をはたらかせて暑さをやり過ごしたという。うだるような暑さのアーサー・アッシュ・スタジアム(Arthur Ashe Stadium)で、2011年大会覇者のサマンサ・ストーサー(Samantha Stosur、オーストラリア)をストレートで退けたウォズニアッキは、「とにかくゲーム間に氷で体を冷やすことを心がけた。今はひたすら、『私がいるのはビーチ。マルガリータを手にして、人生は楽しい』と自分に言い聞かせている」と話した。

 同じくストレート勝利を収めたペトラ・クビトバ(Petra Kvitova、チェコ)も、暑さが厳しくなる前に試合が終わったことを喜び、「きょうは最初の試合でとてもラッキーだった。本当に。すごく暑くなるのは知っていたけど、実際にどれくらいかは想像がつかなかった」とコメントした。

 一方でラウラ・シグムンド(Laura Siegemund、ドイツ)に勝利した大坂なおみ(Naomi Osaka)は、何を騒いでいるのか分からないといった様子で、「この暑さにみんな文句を言っているけど、私は普通だと思った。フロリダの夏の方が全然すごいと思う」とコメントしている。

 3セットマッチに敗れたアリーゼ・コルネ(Alize Cornet、フランス)は、この日の暑さは「悪夢だ」と話している。ベンチで汗をにじませながら、吐き気や頭痛の症状を医師に訴えたコルネは、コート上でシャツを交換したことで服装規定に違反したが、これは暑さを考慮した休憩時間に服を交換した際、ウエアを前後逆に着てしまったのが原因だった。

 女子ツアーでは、2セット終了時に気温が30度を超えていた場合、「暑熱規定」を適用し、コート外で10分間の休憩を取ることが認められている。そしてこの日は男子の試合でも、セットカウント2-1になった段階で同じように10分の休憩が設けられた。

 試合中の10分間の休憩はノバク・ジョコビッチ(Novak Djokovic、セルビア)とマートン・フチョビッチ(Marton Fucsovics、ハンガリー)の一戦で設けられ、4セットの苦戦を強いられながらも2回戦へ駒を進めたジョコビッチは、第2セット終盤にトレーナーを呼び、氷のうを首に巻いてもらっていた。

 今大会ではウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)に続く四大大会(グランドスラム)13回目の優勝を目指すジョコビッチは「お互い苦しんだ。自分たちだけではないが、きょうのコンディションは本当に過酷だった」と振り返っている。

 大会側は「審判団が医療チームとともに引き続き現場の状況を監視し、大会の規定ではもはや対処しきれないタイミングを判断していく」と発表し、暑さに関するルールを毎日見直す予定であることを明かした。広報責任者のクリス・ウィドマイヤー(Chris Widmaier)氏によると、男子で規定が適用されるのはこれが初めてとのことだが、屋根のあるコートでも暑さを理由に閉じる予定はないという。(c)AFP/Dave JAMES