■リサイクルの利益薄く

 中国環境科学研究院(Chinese Research Academy of Environmental Sciences)の郭玉文(Guo Yuwen)研究員は「シェア自転車の材料は金属、ゴム、プラスチックなど一般的なもので、買取価格は高くない。そのことが、シェア自転車の『墓場』の整理を難しくしている」と指摘した。 

 シェア自転車の急増で、各地方政府は相次ぎ台数制限を導入した。北京市は17年、シェア自転車の新規投入を一時停止。昆明市(Kunming)は今月から、シェア自転車企業の参入を禁止したほか、既存の企業にも古い自転車の廃棄を求めた。

 17年6月から1年あまりで、中国ではシェア自転車運営企業が少なくとも15社破たんした。小鳴単車(Xiaoming Bike)の破産管理人は、リサイクル業者に自転車の回収を依頼することを決め、1台12元(約194円)の買い取りで合意した。

 車体や部品の95%以上がリサイクル可能だが、材料の回収価格は低く、業界関係者は「分解は複雑だし、運搬費や人件費を考えると、回収事業は割に合わない」と話す。

 交通運輸部などが公表した業界ルールにも、廃棄自転車の回収や、回収を行わない企業の責任についての規定がない。

 20年までに、中国では1000万台のシェア自転車が廃棄される計算だ。

 シェア自転車市場が急拡大したのは16年。つまり、車両の廃棄のピークはこれから迎えることになる。郭研究員は「スクラップには経済性と環境面の両方で、大きな問題がある。今後、シェア自転車の運営は大きな試練を迎えるだろう」と指摘した。(c)東方新報/AFPBB News