【8月24日 AFP】国際体操連盟(FIG)の渡辺守成(Morinari Watanabe)会長は、現在体操界で問題になっている性的虐待について、被害に遭った選手用の全世界的な電話相談窓口を新たに開設することで、最初の1年間で1000人以上が相談するだろうとAFPに話した。

 今年1月、女性や少女に性的虐待を行った米国体操連盟(USA Gymnastics)の元医師ラリー・ナサール(Larry Nassar)受刑者に終身刑が言い渡されたことを受け、渡辺会長は第18回アジア競技大会(18th Asian GamesAsiad)の場でコメントした。

 55歳のナサール受刑者は、20年以上にわたって約265人の女性に性的虐待を行ったとして告発された。その有罪判決は、この数十年間にどれほどの数の虐待が見えないところで行われてきたのかという大きな疑問を体操界に投げかけた。

 渡辺会長はこのスキャンダルを契機に、アスリートやその親が世界中のどこからでも電話をかけることができるコールセンターを開設する計画について説明し、「開設初年度は、1000人以上がセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の報告をするだろう」とコメントした。

 また会長は、この相談ダイヤルは将来的な加害者の出現を抑止する機能もあると述べ、電話をかけてくる人数が時間の経過とともに減っていくことを期待している。

「翌年には半分に、そして翌々年にはさらにその半分になってほしい」

 ナサール氏に有罪判決が下ってから数か月の間に、体操界ではまた新たなスキャンダルが発覚した。

 5月にブラジルのテレビ番組が40人以上の被害者の証言を基に、同国代表の元コーチが少年たちに性的虐待を行っていたと報道。これにより、同氏は所属していた体操クラブを解雇された。

 渡辺会長はまた、コーチや他のスタッフが選手やその家族に対して力を持ちすぎることがしばしばあると説明し、体操界における文化や行動様式を変革することが重要だと話した。

「コーチは選手の両親と意思疎通を図らなければならない」

 電話相談窓口の開設は、安全対策部門、規律部門、コンプライアンス部門で構成される体操倫理財団を創設しようとしているFIGの新たな計画の一環となっている。この新たな施策は、12月にアゼルバイジャンのバクーで開催される同連盟の次回の会合で、各国委員による投票にかけられる。(c)AFP