【8月23日 AFP】ミャンマー軍の弾圧から隣国バングラデシュに逃げてきたイスラム系少数民族ロヒンギャ(Rohingya)の人々のうち、親が不在の子どもたちの半数は、祖国を脱出する際に親とはぐれたのではなく、既にミャンマー国内で迫害を受け孤児になっていたことが分かった。

 バングラデシュに設けられた世界最大の難民キャンプに暮らす「迷子」の子どもたち数千人をめぐっては、いつか親と再会できる日が来るのではないかとの希望がこれまで語られてきた。だが、23日に発表された国際NGO「セーブ・ザ・チルドレン(Save the Children)」の調査結果は、そうした望みを打ち砕く内容だ。

「民族浄化」の疑いが指摘されるミャンマー軍の激しい弾圧を逃れ、バングラデシュの難民キャンプにたどり着いた人々のうち、親を伴っていない子どもたちは援助関係者が把握しているだけでも6000人を超える。

 複数の人道支援団体によると、正確な人数を知るのは不可能だが、もっと多いとの推計もある。というのも、独りぼっちで国境を越えてきた子どもたちの多くが、親戚や近所に住んでいた人たちの元に身を寄せるなどして、巨大な難民キャンプの中に姿を消してしまっているからだ。子どもたちだけで自活したり、一時的な保護を受けたりしているのは一部にとどまる。

 ロヒンギャ70万人がミャンマーを追われ難民となった弾圧の開始から1年、「迷子」の子どもたちを両親と再会させる試みが続けられているが、100人以上の子どもたちを調査した過去最大・最新のデータ分析結果によれば、「迷子」たちの半数はバングラデシュ到着前に孤児になっており、しかもその多くは両親が虐殺される瞬間を目の当たりにしたとみられる。

「ひどいことは分かっていたが、これほどとは思っていなかった。児童保護の経験豊富な専門家でさえ、この調査結果には衝撃を受けている」と、バングラデシュ南東部コックスバザール(Cox's Bazar)で人道支援活動に当たっているセーブ・ザ・チルドレンのベアトリス・オチョア(Beatriz Ochoa)氏は語った。