華中科技大学(Huazhong University of Science and Technology)中国郷村治理研究中心の劉成良(Liu Chengliang)博士は、「後払い方式で携帯を販売するサービスは、大きな市場になりつつある。たくさんの青少年が、両親や教師に背いて携帯電話を手にしている」と話す。

 広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)と雲南省(Yunnan)の6県の学校を調査した劉博士によると、留守児童の面倒をみるすべがない。

 祖父母が子どもの教育に気を配っているが、子どもたちの年齢差に戸惑うことも多い。農村の子どもが携帯電話を所有することが広がり、子どもたちが大好きなゲームにのめり込む状態に、歯止めがきかなくなっているという。

■留守児童のゲーム時間が突出

 あるアンケート調査によると、ゲームで遊んでいる時間は、留守児童が、そうでない子どもよりずっと長いという。留守児童は「毎日4~5時間」「6時間以上」と答えた子どもがそれぞれ18.8%だったのに対し、留守児童以外はそれぞれ8.8%と8.2%だった。

 中国青少年宮協会児童媒介素養教育研究中心の張海波(Zhang Haibo)主任は、「農村では子どもの携帯電話の問題について、頭を抱えている保護者も多くいれば、そうでない人も多い。携帯電話をベビーシッターのように子どもに与えておけば、騒ぐこともないし、勝手に表に飛び出すようなこともない。しかし、農村部の保護者は都市部の保護者とは違い、子どもへの教育水準が低く、子どもが携帯電話やゲームにはまる危険性にたいする認識が欠落している」と話す。

 青少年のゲーム問題について、学校側も対応に限界があるという。農村部で教員を務める柯さんは、「学校では放課後、泳ぎに行ったり、木に登ったりすることを禁止しているし、図書館や遊び場、補習授業など課外活動もない。子どもたちは放課後、何をすればいいのか?」と話す。

 近年、中国では学生の教育格差を無くし、学校や習い事のプレッシャーを減らそうという「ゆとり」概念を重視するようになりつつある。

 しかし、劉博士からみると理念のみが先行している状態で、農村部、特に貧困地域は、サポートがさらに必要だという。

「都市部には、先進的な教育理念や基礎が多くあり、『社会+家庭+学校』による体制が整っている。しかし、貧困地区には、こうした条件はまだそろっていない」と指摘している。(c)東方新報/AFPBB News