【8月10日 AFP】ドイツのゲーム業界の倫理審査機関は9日、パソコンゲームや家庭用ゲームで「かぎ十字」などのナチス・ドイツ(Nazi)のシンボルの使用が許可される可能性があることを発表した。

 ドイツでは、ナチスと戦うゲーム「ウルフェンシュタイン(Wolfenstein)」シリーズをめぐり、激しい議論が巻き起こっていた。同国ではナチスのかぎ十字を含む「憲法に反する」シンボルの描写を一切禁止しており、このゲームはドイツ刑法に抵触すると批判を浴びた。

 このため続編の「ウルフェンシュタインII(Wolfenstein II)」では、アドルフ・ヒトラー(Adolf Hitler)の画像から口ひげが消され、ナチス・ドイツの国旗に描かれたかぎ十字は、三角形のシンボルに置き換えられていた。

 だが、これを受けてゲーム業界では、ゲームを映画と同様に扱うようにすべきだとの声が巻き起こった。映画は「芸術作品」とみなされており、歴史調査や科学調査といった研究目的で使用される場合と同様、禁止措置の例外とされている。例えば、第2次世界大戦(World War II)時を舞台にした映画は、ナチスのシンボルが含まれていても、ドイツ国内での上映が認められている。

 ビデオゲームの対象年齢を定めるなど、ドイツのコンピュータゲームの倫理審査を行っている「ソフトウェア事前審査機構(USK)」は、ビデオゲームが映画のような例外要件を満たすかどうか、今後審査を行うことになると述べた。(c)AFP