【8月10日 AFP】インドネシアの観光地ロンボク(Lombok)島で5日に発生したマグニチュード(M)6.9の地震で、同国のウィラント(Wiranto)調整相(政治・法務・治安)は9日、死者数が319人に急増したことを明らかにした。現地では同日、強い余震もあり、特に被害の大きかった地域では、救援を待つ被災者の間でパニックが広がった。

 5日の地震では、ロンボク島全域で数万棟の家屋やモスク(イスラム礼拝所)、店舗が倒壊。被害が深刻だった地域の一部では、地震発生から4日がたち、ようやく救援の手が被災者に届き始めている。ウィラント調整相によると、救助活動は続いているものの、余震により作業が難航しているという。

 災害対策当局のストポ・プルウォ・ヌグロホ(Sutopo Purwo Nugroho)報道官の話では、今回の地震で避難を強いられた人の数は27万人に増加。重傷者の数は1000人程度だという。

 被災者の多くは損壊した住宅付近のテントや避難所で寝泊まりしており、食料や飲料水、医療が行き届いていない状態にある。現地では、負傷者の治療のために仮設診療所が開設された。

 被災者らは、数百回に上る余震におびえている。9日にはM5.9の地震が発生し、泣き叫びながら避難所から逃げ出す人々の姿も見られた。ヌグロホ報道官によると、この余震で落下したがれきにより、24人が負傷した。(c)AFP/Kiki Siregar