【8月7日 AFP】米国の伝説的俳優で、アカデミー賞(Academy Awards)も受賞しているロバート・レッドフォード(Robert Redford、81)が、最新作『ジ・オールド・マン&ザ・ガン(原題、The Old Man & The Gun)』でカメラの前に立つのは最後とし、俳優業から引退すると表明した。

 60年前に初めて舞台に立った後、テレビや映画の世界に入り、監督も務めるようになったレッドフォードは娯楽業界誌エンターテインメント・ウィークリー(Entertainment Weekly)に対し、「絶対とは言わないが、演技するという点ではこれを私の最後の作品にしようとほぼ決めた」「その後は引退に向けて動くつもりだ。21歳の時からこの仕事をやってきたのだから」と語った。

 監督業も引退するのかとの質問にレッドフォードは「そのうち分かるよ」とだけ述べて固く口を閉ざし、レッドフォードの代理人も詳細を明かさなかった。

 レッドフォードは『明日に向って撃て!(Butch Cassidy and the Sundance Kid)』(1969)のサンダンス役でブレイク。『スティング(The Sting)』(1973)ではアカデミー主演男優賞にノミネートされ、その後『華麗なるギャツビー(The Great Gatsby)』(1974)、『コンドル(Three Days of the Condor)』(1975)に出演。『大統領の陰謀(All the President's Men)』(1976)で高い評価を受け、レッドフォードはいかにもアメリカ的で健康的な容姿端麗さで誰もが知るスターとなった。

 初の監督作品『普通の人々(Ordinary People)』(1980)ではアカデミー賞監督賞を受賞した。『リバー・ランズ・スルー・イット(A River Runs Through It)』(1992)ではまだ若手俳優だったブラッド・ピット(Brad Pitt)を主役に起用した。

 1981年にはハリウッド(Hollywood)の商業主義と多様性の欠如に不満を抱いた映画人らを支援するサンダンス・インスティテュート(Sundance Institute)を米ユタ州に設立。毎年開催されているサンダンス映画祭(Sundance Film Festival)は世界で最も影響力のある映画祭の一つとなり、多くのインディーズ監督を育成してきた。俳優、監督業やこうした功績が評価され2001年度のアカデミー名誉賞を受賞している。(c)AFP