■「優秀な教師」…その中身はあいまい

 多くの保護者は、早期教育に通わせるべきか、何年も考え慎重な態度を持っている。一方で、何を基準にするべきかは本当にはっきりしない。

 価格だけでは質を測ることはできないと気づいた舒さんは、「教師の質」を重視するようになり、教室に問い合わせた。しかし、あいまいな答えしか得られなかった。

「当校の教師の質を疑う必要はありません。教師は皆、本部で研修を受けています。本部から合格証書を受け取っています」。そのほかの資格を持っているのかと尋ねると、「留学経験があり、英語ができる」「心配する必要はないですよ」といった答えが返ってくる。

 舒さんは「早期教育教室は専門性をうたっているが、実際には未就学児や幼稚園児を対象とした教育をきちんと受けている教師は少ない。だから、会社の研修を受けているのだろう」と話した。

 舒さんが訪問した十数校、100人余りの教師の最終学歴は大専(高校卒業後に通う2年生職業訓練学校)卒が多く、四大卒以上の学歴を持っている人は少なかった。「つまり、多くの教師は、教育を専門に学んでおらず、教職の資格を持っているはずもない」

 記者も取材中に、早期教育教室チェーンの教師の求人票をたまたま見かけた。

「標準語が話せて、子ども好き。音楽、ダンス、絵画のうちどれかが得意。勤勉。中専(中卒後に進学する専門学校)卒以上」とあった。

 取材に応じた早期教育教室の多くが、教師採用基準について「学歴より資質と能力重視だ」と答えた。

 早期教育教室の教師として1年間働いた経験がある張慧さんは、「早期教育の特徴は、短期間では効果が分からないことだ。かといって、長期的な効果もデータが多いわけではない。だから、不安を抱える保護者から、高いお金を取ることができる」と語った。さらに、こう明かした。「早期教育業界の90%以上は、カリキュラム開発や管理能力を持たない。フランチャイズに加盟した経営者から加盟料を徴収した後は、ほとんど面倒を見ない」(c)東方新報/AFPBB News