■「忙しくて子どもに構えない親」と「高望みする親」

 世の中は、早期教育のブームまっただ中だ。早期教育に熱心な保護者は、一般的に二つのタイプに分けられる。

 一つは生活のプレッシャーが大きく、育児に焦る若い親だ。日頃から忙しく、子どもと過ごす時間が少ないので、早期教育機関に子どもを託すパターン。もう一つは、自分の生活力が弱いことを背景に、子どもに多くを望む母親だ。こうした女性たちは、早期教育教室が豊富な経験を持ち、高額なお金と引き換えに自身の焦燥感を解決してくれると信じている。

 記者は、早期教育に子どもを通わせる保護者の数人に話を聞いた。ある親は、「親子クラスに参加することで、子どもがより健康で活発になってほしい」と話した。別の親は、「少しでも早く教育を受けさせることで、成績が上がることを期待する」。「何が得られるか分からないが、周りが皆やってるので」という人もいた。ともあれ皆、何らかの即効性を期待していた。

 冒頭の女性の話に戻ろう。舒さんは早くから早期教育に関心を持ち、約1年をかけて20校以上を比較した。そして、早期教育業界にはさまざまな理念やシステムがあり、費用が高いクラスにはそれなりの理由があるとの結論に至った。

 ところが、長女が通う教室で子どもの事故が起き、保護者に訴えられた際、教室の責任者は裁判でこう主張した。

「我々は教育コンサルタントに過ぎず、学校を運営する資格はない。子どもは保護者が見るもので、早期教育機関は何の責任も負わない」