【8月2日 東方新報】人工知能(AI)を利用した「無人時代」が、中国の物流配送業界で実現しつつある。

 京東(JD.com)はこのほど、世界初の全自動無人配達とセルフピックアップ方式の無人配達拠点の開発に成功したと発表した。蘇寧物流(Suning Logistics)は、2020年には末端配送の自動運転技術が普及し、無人配達車の規模化が実現すると表明。一方、菜鳥網絡(Cainiao Network)は、無人倉庫や無人車、無人機技術はすでに成熟し、物流から配達先までの全ネットワークを網羅する配達技術はすでに限られた範囲では成功しているという。

■人工知能物流網が実現中

 自動操縦無人車が安全に走行し、「コンボイ」と呼ばれる配達塔に接合すると、塔の頂部で待機中の無人機に荷物を引き継ぎ、顧客の引き取りポイントまで飛行して正確な地点に投下する。

 顧客の居住区側には、保温や冷蔵機能をと顔認識機能を併せ持つAI保管ボックスが設置され、顧客が棚を開け荷物を取り出すまで2秒。家の玄関では、「菜鳥BOX」が設置され、鍵一つで開けることができる。収納容量は伸縮自在で、録画機能も付いている──雄安(Xiong’an)市民センターで完成したばかりの、「菜鳥」の無人物流の様子だ。

 北京の黄渠卡夫卡(Huangqu Ka Fu Ka)居住区。1台の小さな黄色の配達車が居住区の入り口に近づき停車すると「こんちわ!開門してください!」と音声が流れた。

 6月にグレードアップした蘇寧の無人車「臥龍一号」が、北京の蘇寧小店黄渠店に導入され、商業運用を始めた。中国で初めてとなる、商用の無人配達車だ。無人車から無人機、AI保管棚、無人物流の段階を経てラストワンマイルから配達先の「ゼロメートル」までの、すべての問題を解決する。

 菜鳥、蘇寧、京東などはみなビジネスチャンスを逃すまいと必死なのだ。