■ベルギー3位で長虹も勝ち組

 ベルギーは堅実な戦いを続け、最終的に過去最高の3位に輝いた。長虹は今年3月、ベルギー代表の公式スポンサーに就くと発表し、キャンペーンを展開してきた。5月末にはロシアへの応援団メンバーを募ったほか、代表選手のアクセル・ヴィツェル(Axel Witsel)を北京に招き、長虹ユーザーのサッカーファンたちと交流した。

 スマートテレビも活用し、コンテンツの配信やキャンペーンでユーザーとの交流を促進。W杯期間中、オンラインプラットフォームには多い日で600万人がアクセスした。

 長虹の担当者によると、W杯期間に同社のCHiQブランドの大画面テレビ販売台数は前年同期比223%増加。80インチ以上のレーザーテレビは10倍以上伸びた。長虹の冷蔵庫やエアコン、キッチン製品などの売り上げも軒並みアップした。

■ネイマールを起用したTCL  

 TCLは代表チームのスポンサーにはならなかったが、世界の若者への影響力を期待し、ブラジルのスター選手ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)をスポークスマンに起用した。ブラジルはまさかのベスト8止まりで、TCLの当初のプロモーション計画は大幅な変更を余儀なくされた。15日の決勝戦で、TCLはイベントを決行したが、主役はネイマールからテレビの新商品に代わった。

 TCLはW杯期間の売り上げ増加を狙ったというより、スポーツイベントへの参画を通じ、世界でのブランドイメージを向上させようというスタンスだ。これまでもテニス、ラグビー、ゴルフなどのビッグイベントに関わってきた。 

■支出ナンバーワンはハイセンス

 ハイセンスは、今回のW杯で最も大盤振る舞いした中国ブランドだろう。大会公式スポンサーの座を得るために数億元を投じ、試合会場の広告出稿量も中国一だった。とりわけ豪気を見せたのは決勝戦だ。モスクワ音楽院でパブリックビューイングを開催し、世界18か国・地域から500人の顧客を招いた。

 家電業界アナリストの梁振鵬(Liang Zhenpeng)氏は、「ハイセンスはW杯のマーケティングに10億元(約16億円)を使った。成果もしっかりあり、今年6月の同社のテレビの販売台数と販売額のシェアはそれぞれ18.44%、20.16%と国内首位だった」と述べた。(c)東方新報/AFPBB News