【7月27日 AFP】ドイツサッカー連盟(DFB)のラインハルト・グリンデル(Reinhard Grindel)会長は26日、ドイツ代表からの引退を表明したメスト・エジル(Mesut Ozil)に対する人種差別的扱いを否定した一方で、同選手を保護するために、もっと努力すべきだったと認めた。

 トルコにルーツを持つエジルは、22日に発表した4ページにわたるコメント文で代表引退を表明すると同時に、DFBのグリンデル会長を名指しして「グリンデル会長や彼の支持者から見れば、私がドイツ人なのは勝ったときだけで、負けたときは移民なのだろう」と厳しい批判を浴びせ、ドイツ国内における人種差別を激しく非難した。

 しかし、グリンデル会長はこの4日間、エジルの主張を否定し続けた上に辞任要求に屈しない姿勢を示しており、「私への個人攻撃で心を痛めているということをはっきり申し上げておく」とすると、「それよりも私の同僚をはじめ、DFBで働いているボランティアの人々や従業員が、人種差別主義者のレッテルを貼られることを残念に思う。私個人ならびに連盟としても、断固として疑惑を否定する」と述べた。

 グリンデル会長はその一方で、エジルがトルコのレジェプ・タイップ・エルドアン(Recep Tayyip Erdogan)大統領と並んで写真を撮影したことで、ドイツ代表としての忠誠心を疑問視されて物議を醸した際に、はっきりとした行動を示して同選手への批判を終わらせるべきだったと語っている。「後からよく考えてみれば、私個人や連盟の明確な立場として、いかなる人種差別的行為も許し難く、受け入れられず、容認できないということを示しておくべきだった」

 さらに「それはジェローム・ボアテング(Jerome Boateng)やメスト・エジル、そして移民のバックグラウンドを持つすべての選手に対して当てはまる」とすると、エジルの問題の写真が「人種差別のスローガンとして悪用された」ことは遺憾であると付け加えた。(c)AFP/Hui Min NEO