【7月29日 東方新報】中国政府は鉛蓄電池の生産・回収工程の規範化を進める政策を相次ぎ実施しているが、徹底されていない。特に、回収段階では大量の使用済み電池が、正規のリサイクル企業でなく闇市場に流れている。

 数年前に、鉛中毒の問題が頻発したことを受け、工業情報化部は2012年5月、電池生産業界の参入規制を強化し、小規模で技術力の低い企業を撤退させた。

 しかし、生産段階にメスを入れても、電池使用を終えた後については管理が徹底されていない。家庭で使用される乾電池をとってみても、リサイクルボックスを見かけることは少ない。「国家危険ごみリスト」に入っている鉛蓄電池は、自動車修理工場などでそのまま捨てられ、国の規定に沿った処理はほとんどされず、汚染リスクを抱えている。

 中国は鉛蓄電池の回収システムが確立しておらず、多くは非合法の小さな作業場で分解され、有害な液体も無造作に扱われている。中国では鉛蓄電池が毎年330万トン生産されているが、正規の方法で回収されているのは30%に満たないと言われる。

 背景には、正規の処理場の建設運営にはコストがかかる一方で、非合法の作業所にはほとんどコストがかからないため、使用済み電池の受け入れ先となっていることがある。(c)東方新報/AFPBB News