■分別せず埋め立て地に送る業者も

 ウェースト・マネジメントは現在、サウスカロライナ州の業者にペットボトル類を買い取ってもらい、また国外の業者にボール紙を送っている。だが、ミックスペーパーやミックスプラスチックは無価値同然で、下請け業者にお金を払って収集してもらっているのが現状だ。

 米国の他のリサイクル施設の中には、大きなタブーを犯し、プラスチック類と紙類を分別せずに、そのまま埋め立て地に送ってしまっているところもある。

 テキサス州ヒューストンの廃棄物処理会社WCAのビル・シーザー(Bill Caesar)社長は、「(こうした事実については)誰も口にしたがらない。自分らのところも同様であるという事実を受け入れ難いからだ」と指摘する。

 ウェースト・マネジメントや、別の業界大手リパブリック・サービス(Republic Services)は、条件付きでその方法を取っていることを認めているが、他方で一部の小さな自治体では、資源ごみの回収をストップしているところもある。

「最大の問題は、中国がこの業界に対して、新しいシステムに移行する猶予をほとんど与えなかったことだ」とISRIのアドラー氏は述べる。

 こうした現状について、全米廃棄物リサイクル協会のダレル・スミス(Darrell Smith)代表は、「新たな市場や資源ごみの新たな用途を見つけなければ、私たちが抱えるごみは収拾つかないほどの量になり、埋め立て地に回していかなければならない量もますます増えるだろう」と付け加えた。