【7月15日 AFP】14日に行われたテニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)の女子シングルス決勝で、セレーナ・ウィリアムス(Serena Williams、米国)を破り、ドイツの女子選手としては22年ぶりとなる大会制覇を果たしたアンゲリク・ケルバー(Angelique Kerber)が、2017年シーズンの悔しい経験が現在の糧になっていると話した。

 昨シーズンのケルバーは、全仏オープンテニス(French Open 2017)で1回戦敗退を喫すると、ウィンブルドン4回戦敗退を経て、前回女王として臨んだ全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2017)でも初戦敗退。シーズンの終わりには、世界ランキングが直近の6年で最低となる21位にまで落ち込んだ。

 それでも30歳となったケルバーは、セレーナを6-3、6-3のストレートで退けた試合後、「2017年のことがなかったら、この大会は優勝できなかったと思う」と話した。

「去年はたくさんのことを学んだと思う。周囲の大きな期待がある中で、さまざまなことを経験した。自分自身や周囲のこと、そうしたものとの付き合い方、1日のスケジュールの立て方について、いろいろなことを学べた。今は一瞬一瞬を楽しもうとしている」

 今年は、そうした新しいアプローチが実っている。コーチにビクトリア・アザレンカ(Victoria Azarenka)やシモナ・ハレプ(Simona Halep)、キム・クライシュテルス(Kim Clijsters)さんらを指導したウィム・フィセッテ(Wim Fissette)氏を招くと、1月のシドニー国際(2018 Sydney International)で優勝。全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)ではベスト4、全仏ではベスト8に進出した。

 ケルバーはこれで自身3回目の四大大会(グランドスラム)優勝を果たし、1996年のシュティフィ・グラフ(Steffi Graf)氏以来、久しぶりとなるドイツからのウィンブルドン女王となった。また、グランドスラム決勝でセレーナから2回以上勝利を収めた選手も、今回のケルバーがわずか2人目となっている。

 グランドスラムの三つのタイトルすべてを28歳の誕生日を迎えた後に手に入れているケルバーは、遅咲きの要因について、もう時間があまりないという切迫感があることを認めつつ、自信がついたことも大きいと話した。

「私ももう30歳。これまでの日々でたくさんの経験を積んできた。準決勝に出場したり、決勝を戦ったりするのがどういう感覚かも分かっている。ウィンブルドンの決勝も1回経験しているし、ある程度の予測はついていた。それも、きょうは少しリラックスできた要因だと思う」 (c)AFP/Dave JAMES