中国・出前ライダーたちのW杯(5)学歴ない自分、ほかに何をやれと?
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沿道のレストランから、明かりが次々と消えていった。シャッターが次々と降ろされる。景気の良い2店には、まだ飲み足らない客が数人残っている。
出前の配達員たちも、帰宅する準備を始めた。次の注文待ちの者もまだいるが、全般には暇な時間帯に入った。スマホを取り出し、試合を見始める者もいる。
配達員たちは、全員がサッカーファンという訳ではない。みなと一緒に雰囲気を楽しんでいるだけの者も、もちろんいる。
ある配達員によると、この間には夜食を配達すると、客の多くがサッカーの試合を見ているので話を合わせやすく、「飛び降り自殺の準備を始めた客がいても、慰めようもある」とのこと。
「ネイマール(Neymar da Silva Santos Junior)は調子いいみたいだ、メッシ(Lionel Messi)が惜しかったな」
胡さんは数日前の試合を振り返った。
客が店の中から出てきて、ちょうどこの話を耳に挟み、「メッシは次の大会はもう参加できないだろうな。ロナウド(Cristiano Ronaldo)はまた出られるかも」と応じた。
「フランスチームのあの若いのはすごかった、エムバペ(Kylian Mbappe)。めっちゃ速いな」
翌日は雨が降っていた。空気は依然としてムッと湿度が高い。午後9時に胡さんは帰宅した。2か月連続で毎日のように残業をしたので、やや疲れ気味。午後10時、スイス対スウェーデンの試合が始まった。妻は子どもをあやしながら寝入ってしまった。タクシードライバーの同居人はまだ帰ってこない。胡さんはソファーの上に横たわり、さあ観戦だ。
次の試合は午前2時だ。胡さんの大好きなイングランドチームが出場する。……残業続きで疲れ切った胡さんは、眠りに落ちて行った。
胡さんはどんなに疲れていても、転職を考えたことはない。「自分には学歴がない。ほかに何ができるというんだい?」(c)東方新報/AFPBB News
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