■盗まれたトウモロコシ、市場に流出すれば損失は1千万元にも

 陳先生は、「農民に盗まれたトウモロコシの品種はすでに湖南省農業委員会の審査・認可が通っており、学校としてはちょうど品種の保護権の申請を行っていたところだった」と話す。

「品種の保護権はまだ取得できていない状況で、この品種が保護権を取得する前に拡散してしまえば、損失は計り知れない。2009年に行われたトウモロコシの落札価格は500万元(約8340万円)だったので、あれから10年経った現在では、新品種が流出すればその損失は1000万元(約1億6700万円)にはなる」と話す。

■地元政府は村民に返還するよう説得

 陳先生は、「盗難に遭った日、通報して警察が到着した時には、農民らは皆、電動自転車やバイクなどで逃げ去っており、残っていたのは80歳を過ぎた老婆だけだった」と振り返る。

 事件発生後、地元の村役場は村民会議を開き、盗んだ農作物などを返還するよう命じた。現在、盗まれたトウモロコシ約100本が返還され、市場に流入した形跡はないという。

 陳先生は「今後、学校として基地の管理強化をしていく。基地の周囲に防護柵を設け、監視カメラを増やし、品種保護権の申請を早めて法的側面からも知的財産権を保護していきたい」と語った。(c)東方新報/AFPBB News