【7月9日 AFP】テニスの四大大会(グランドスラム)の一つであるウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon)において、ロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)は史上最多8回のシングルスタイトルを獲得するなど、最も多くのものを勝ち取ってきた選手だが、下着を厳しく見とがめられた経験は一度もない。そのフェデラーが、大会の厳格な服装規定の伝統を尊重しつつも、ルールを緩めてもいいのではないかと発言している。

 ウィンブルドンは、19世紀にさかのぼる全身白の服装規定を厳格に施行している大会で、関係者は選手たちの服装をしつこく確認し、シャツやパンツ、ワンピースにほんの少し入った別の色さえも見逃さない。

 このルールに対して、フェデラーは「他と違うのは楽しくて良いことだが、少し色を加えるのもまた良いのではないかと思う。このあたりで、ほんの少し正直になってみたらどうだろうか」と話している。

「ウィンブルドンなりの伝統は理解している。現責任者のフィル・ブルック(Phil Brook)のことも知っている。50年代、60年代から続く伝統を固く信じている人物だ。それは分かる。しかし過去には、ビョルン・ボルグ(Bjorn Borg)とジョン・マッケンロー(John McEnroe)が赤のジャージーを着て出てきたこともあった。またあれを認めろとは言わないが、少し色を交ぜるくらいは良いのではないだろうか」

 仮にフェデラーの言葉通りになれば、先日に同選手と大型契約を結んだユニクロ(Uniqlo)にとっては最高の知らせだろう。フェデラーはプロデビューからの関係だった米スポーツ用品大手ナイキ(Nike)との契約を終え、日本の衣料品大手ファーストリテイリング(Fast Retailing)傘下のユニクロと10年総額3億ドル(約330億円)の契約を結んだ。

 フェデラーは「メーカーにとっても、白の中でどれだけ違いを出せるかという、新たなチャレンジの機会が生まれることになる。方法はいろいろあるだろうし、そういうふうに言われたら各社ともに頑張るはずだ」とコメントしている。