【7月6日 AFP】テニス、ウィンブルドン選手権(The Championships Wimbledon 2018)は5日、男子シングルス2回戦が行われ、降雨で前日から順延となっていた一戦に臨んだ大会第3シードのマリン・チリッチ(Marin Cilic、クロアチア)が6-3、6-1、4-6、6-7(3-7)、5-7でノーシードのギド・ペラ(Guido Pella、アルゼンチン)にまさかの大逆転負けを喫し、大会から姿を消した。

 前回大会ではロジャー・フェデラー(Roger Federer、スイス)に次ぐ準優勝を果たしたチリッチは、今大会に入るまでウィンブルドンでは一度も勝ったことがなかったペラに前日の時点でセットカウント2-0とリードしていた。しかし、1番コートで試合が再開されると調子を崩し、代わりに完全に試合の主導権を握った世界ランク82位のペラが、マッケンジー・マクドナルド(MacKenzie McDonald、米国)との3回戦に駒を進めた。

 2014年の全米オープンテニス(US Open Tennis Championships 2014)覇者で、2週間前に英ロンドンのクイーンズクラブ(Queen's Club)で行われた前哨戦のフィーバーツリー選手権(Fever-Tree Championships 2018)を制して今大会では有力な優勝候補の一人に挙げられていたチリッチが、これまでウィンブルドンでペラと同等の格下に屈したのは、2008年大会に当時世界145位だったアルノー・クレマン(Arnaud Clement、フランス)氏との一戦だけだった。

 しかし、今年は全豪オープンテニス(Australian Open Tennis Tournament 2018)でファイナリストとなり、全仏オープンテニス(French Open 2018)で4強入りを果たした29歳のビッグサーバーにとって、この試合はキャリアでも最悪の敗戦の一つとなってしまった。

 一方、四大大会(グランドスラム)で自身初の3回戦進出を果たした28歳のペラは、戦術を変えて衝撃的な大逆転勝利につながったのは、試合が順延になったことが大きな後押しになったとして、「きのうは相手が絶好調で、こっちは強い打球にまるで歯が立たなかった。だから、雨に大いに助けられたよ。きょうは自分のプレーを変えて、もっとアグレッシブに攻めたら、相手の方が調子を崩し始めた。そうしたら、自信が増してサーブも良くなり、最後まで冷静に臨めた。とても満足だ」とコメントした。(c)AFP