【7月3日 AFP】ジャイアント・セコイアが500本生育するマリポサグローブ(Mariposa Grove)は、米カリフォルニア州のヨセミテ国立公園(Yosemite National Park)の見どころの一つだ。そびえ立つ巨木の多くは、少なくとも樹齢2000年で、イエス・キリスト(Jesus Christ)の時代ごろから生えていたとみられる。

 マリポサグローブは、世界で65か所あるジャイアント・セコイアの自然林の一つで、ヨセミテ国立公園内では最大規模となる。マリポサグローブでは、古代から育つ樹木を保護し、未来の世代に残す目的で、4000万ドル(約44億円)規模の森林再生プロジェクトが実施されていた。3年前に始まったプロジェクトは終了し、マリポサグローブは6月から再び公開されている。

 ジャイアント・セコイアは樹齢3000年を超えるものもあり、樹皮が昆虫の被害から守る役割を果たしている。またこの樹皮が、何千年もの間に発生した数えきれない山火事から樹木を守って来た。

 ヨセミテは、サンフランシスコから車で4時間の距離にあり、人気の観光地となっている。今回はお土産屋、ガタゴト走るディーゼルトラム、アスファルトの駐車場が撤去され、トイレの横の小さな駐車場だけが残された。アスファルトを撤去したことで、ジャイアント・セコイアの浅い根が圧迫されずに再び自然に水を吸収できるようになり、大量の車両から発生する大気汚染からのダメージも軽減された。

 公園に夜がやって来ると、樹齢1800年のジャイアント・セコイア「グリズリージャイアント」をはじめとする高さ90メートルの巨木林に、星の光が静かに降り注ぐ。(c)AFP/ David McNew