【6月30日 AFP】サッカーW杯ロシア大会(2018 World Cup)のグループH最終戦で、日本代表がフェアプレーポイントの差でセネガル代表を抑えてベスト16入りを果たし、物議を醸していることについて、国際サッカー連盟(FIFA)は29日、システムの変更は考えていないと強調した。

 西野朗(Akira Nishino)監督が率いる日本は、グループリーグ計3試合でセネガルよりもイエローカードが2枚少なかったため、ベルギーとの決勝トーナメント1回戦に駒を進めた。日本とセネガルは勝ち点4で並び、得失点差と総得点数でも同数となったが、警告数の少なかった日本がグループHの2位で突破を決めた。

 日本が0-1でポーランドに敗れた28日の試合終盤、選手がペースを落としたことに加え、相手から一度もタックルを仕掛けられなかったことから、ボルゴグラード・アリーナ(Volgograd Arena)のピッチに立つ両チームの選手にはブーイングが浴びせられた。

 1982年W杯スペイン大会の西ドイツ対オーストリアの一戦では、両チームが談合して西ドイツが1-0で勝つように仕向けられたとして悪名高き試合として知られているが、今回の結果がそのときと比較されるような茶番劇に発展したことを受け、FIFAの大会ディレクターを務めるコリン・スミス(Colin Smith)氏は「(フェアプレーポイントの規定が)シニアのW杯で適用されたのは今回が初めてだ。これは抽選を避けるために導入したシステムだ」と述べた。

「チームが次のステージに進むのは、それぞれのパフォーマンスやピッチで起きることに基づくべきであり、抽選によって決まるものではないと確信している。この規定が導入されたのは、抽選になる前にもう一つ基準を設けるためだ。大会終了後に検証し、フィードバックやそのときの状況について確認する予定だが、現在のスタンスとしては設けられた規定を変更する必要性は見当たらない」(c)AFP